エシカルコラムでは、長野県内外でエシカル消費の普及等に取り組む方々をご紹介し、エシカル消費への思いや最新情報を発信します。
今回は、「THINK ETHICAL PROJECT」として、廃棄物の有効活用などの観点からエシカルな活動に取り組まれている、小諸市にある浅麓工業企業組合さんにお話を伺いました。
これまでの活動を教えてください。
弊社は小諸市で50年余り衛生業として従事してまいりました。
普段から家庭ごみとして排出されるまだ使える古着を目の当たりして、「もったいない」と感じ、なんとかリメイクをしてもう1回着てもらえないかと模索していました。
そこで独自に「エシカルインク」を開発し販売することになりました。
エシカルインクは主に天然由来の素材を原料としており、放置竹林を伐採した「竹炭」、廃棄される茎の部分を炭にした「麻炭」、生活の色として使われ続けてきたベンガラ「酸化鉄」。
これらの天然由来の素材を組み合わせた、環境に配慮したエシカルなインクを完成しました。
「無駄を無くし、地球を汚さないように」と想いを込めてつくられたインクです。
特に注力していることはありますか?
主に、エシカルインクを使ったワークショップ体験の環境教育に力を入れています。
エシカルとは何か、世界の廃棄物の現状を交えながら少しでも興味をもってもらうよう親子で体験できる教室などを開催しているほか、小諸市内の放置竹林伐採ボランティア活動にも力を入れており長野の美しい里山がいつまでも続くようにと環境保全活動にも尽力しています。
活動を通して伝えたいことを教えてください。
新しいTシャツを1枚作るのに水資源使用料は約2,900L、二酸化炭素排出量は約15kg。これだけの資源が必要で環境や生物に深刻な影響を与えています。
すぐに新しいものを買わず、まだ着られるものをリメイクして着るだけで、未来の子どもたちへ今の環境を繋ぐことができるのではないかと考えています。
また、この商品はどんな人がどんな場所に作り、環境に配慮した優しい商品かを考えるキッカケになってほしいと思います。
今後の展望があれば教えてください。
エシカルインクに興味をもってくださり、アパレルメーカーからお問い合わせいただいたほか、飲食店から排出される食品残渣を使って染めたユニフォームの製作を現在進行中です。
食品残渣問わず廃棄されるものから新しい色のインクを開発したり、サスティナブルでエシカルな社会を目指して一緒に取り組んでいただける方を個人、法人問わず募集しています。
また、環境教育として小中学生と一緒に活動していきたいと思っています。
エシカル消費とはどのようなものだと思いますか?
エシカルとは思いやりの精神の上になりたっているものだと思います。便利な社会だからこそ一度立ち止まり、その商品の背景には、貧困に苦しむ子どもたちの労働があるのか、繰り替えし使える商品なのか、フェアトレード製品か、リサイクル可能なのか、認証ラベルのある商品かなど、何かを消費する前に考えるエシカルな目線を一人ひとりが持つことで、未来の子どもたちへ長野県の素晴らしい環境を残していけると思っています。
浅麓工業企業組合さんが考える長野県らしいエシカル消費とは?
河川の上流県として海洋汚染の第一歩となる川の汚染(プラゴミ投棄など)を防いだり、森林整備を推進して温暖化を防いだり、健康に配慮した消費を発信したりといった、様々な側面から環境や人に配慮することが長野県らしいエシカル消費だと思います。
お名前 | 浅麓工業企業組合さん THINK ETHICAL PROJECT |
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活動歴 | 2年 |
活動概要 | 〒394-0801長野県小諸市甲1843-3 TEL:0267-221322 URL:https://think.senroku-komoro.nagano.jp |